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贅沢な時間

7月上旬に短い休暇を取って、北海道に行ってきました。

7月6日の金曜日、仕事を午後で切り上げ、日暮里駅経由で成田空港へ。
4日前に就航したLCC(格安エアライン)の、ジェットスター便で千歳に向かいました。

私は1年半ほど前に、下川祐治さんの『格安エアラインで個人旅行が変わる』という本を編集したことがあるのですが、これまで使ったことがあるLCCは中国の春秋航空だけで、日本の国内線は初めてでした(準LCCとしては、スカイマークにはよく乗っていますが)。

ジェットスターの座席はLCCらしく狭いのですが、1時間半の飛行なので、それほど辛くはありません。
オーストラリアの会社が運営しているせいか、内装は春秋航空よりお洒落でした。ただ、機内の冷房が効きすぎている(体感的には23~25度くらいか)のには、参りましたが…。

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(たしかに狭いが、JR普通列車のボックス型シートよりは楽)

運賃は預託荷物を含めて約7000円、直線距離で800キロくらいなので、やはり安いですね。

この日は苫小牧に宿泊し、翌朝、千歳で格安レンタカーを借りて、道東の陸別町に向かいます。
陸別では、気動車(ディーゼルカー)の運転体験をしてきました。

1年ちょっと前に鳥塚亮さんの『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』という本を編集して、そのなかで公募運転士の話を聞いていたので、自分も運転したくなったのです。

本州でも、鉄道車両を駅構内で体験運転できる会社はいくつかあるのですが、陸別町にあるりくべつ鉄道の面白いところは、廃線でレールが残っている区間(2006年に廃止された北海道ちほく高原鉄道銀河線の一部)を片道1.6キロ、2往復できるところです。

私はネットのニュースでこのことを知り、早速申し込んだのでした。

まず土曜日は、駅構内で基本的な運転訓練をします。
まず、気動車の構造について、車体下部を見せてもらいながら説明を受け、次に運転席で試行しながら、進む、止まる、その他スイッチの入れ方や、安全確認などもろもろ教えてもらうのです。

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気動車の運転感覚は、「重い」です。車両重量が28トンで、私がふだん運転している軽キャンピングカーの約25倍あります。加速も遅いし、ブレーキもなかなかかからない。あと、ブレーキが自動車みたいに踏んだらすぐ効くものでもなくて、ブレーキシリンダの圧力を充分に上げてから、次にブレーキ管の圧力を上げる(ブレーキをかける)順番になります。

教官に「ブレーキシリンダ圧をこのくらいまで上げてから、一度制動をかけ、徐行状態になったらいったんブレーキを緩めて、停止線前にもう一度かけて、止まる直線には緩める」と指導を受けるのですが、短い訓練時間ではうまく習得できませんでした。

運転席にはブレーキ系統のメーターに針が2つ(ブレーキシリンダ圧力、ブレーキ管圧力)あり、それを見ながら、前方の状況も確認し、ブレーキ弁ハンドルを回すのは、慣れないと難しい。自動車のブレーキをかけるときは計器なんか見ませんからね。

500メートルくらいの構内を、進んだり止まったりしながら4~5往復して、1日目の訓練は終わりました。

この日は、駅併設のホテルに泊まり、日曜日に訓練を再開します。
日曜日は、駅構内で2往復ほど、進む、止まるの練習を繰り返した後、駅構外の廃線に。

前日に練習したとは言っても、しょせんは素人なので、最高速度も20キロに制限されていますが、ふつうの線路を走れるのは面白い。人家の脇も通ります。

北海道は人口密度が低いので、町興しへの理解もあってお役所も許可したみたいですが、それでも構想から実現まで6年かかかったと教官が言ってました。

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(運転中の私を、教官が撮影してくれました)

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(だいたい、こんな所を走ります)

ちなみに、料金は2日で5万円、宿泊費込みです。
高いと言えば高いですが、土曜日は1時間半、日曜日は2時間、教官がマンツーマンで指導してくれて、駅構内の線路か廃線を独占できるし、気動車や廃線の維持管理コストを考えると妥当な金額だと思います。多少は地域振興の役にも立つでしょうし、私にとっては、まあ贅沢な時間ですね。

ちなみにこの試みは、鉄道ファンの間で話題沸騰だとのことで、9月までの予約は、ほぼ一杯だそうです。

帰り道は、道東の名所を少し見てから、襟裳岬経由で千歳まで帰ってきました。

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(オホーツク海に面した小清水原生花園。オレンジ色の花はエゾカンゾウ)

釧路から襟裳岬に向かう際に、できるだけ幹線国道を避けて、海沿いのマイナーな道道(県道の北海道版)を辿ったのですが、対向車もほとんどなくて、マイナーな道路(秘境道)マニアの私としては、たまらなく気持ちのいい時間でした。

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(道道1036号線)

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(道道1037号線)

しかし、帰ってきた東京はモーレツに暑い。
今となっては、北海道の涼しさが懐かしいです。
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プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は知財・契約管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

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