FC2ブログ

考えない人々

パラグアイの首都・アスンシオンから、ボリビアのラパスまで飛行機で移動しました。

この区間は道が悪く、バスも古いと予想され、「陸路ではとても身がもたない」と判断したのです。

20年前に世界一周をしたときに、一番苦戦したのがボリビアのバスでした。
東部のサンタクルスからコチャバンパを経てラパスに至ったのですが、国内第一の都市と第二の都市をつなぐ幹線道路なのに簡易舗装のガタガタ道で、1.5車線分くらいしか広さがなく、トンネルもほとんどない山道を、アメリカから流れてきたと思われる古いバスが、あえぎながら走っていたのです。

その後、ボリビアが発展したという話も聞かないし、アスンシオンからラパスまでは、サンタクルス経由で45時間。ここまでの旅で疲労が蓄積している私には、とても無理でした。

では、飛行機で移動すれば楽だったのかというと、そんなこともなかった。

午前7時にアスンシオンのホテルを出て、9時の飛行機に乗り込み、1時間半後にサンタクルスに到着。ここまでは順調でした。
ところが、サンタクルスからラパス行きに乗り込もうと出発ゲートに行くと、私の乗るべき飛行機がないのです。

あわてて周囲にいた客と、航空会社の職員に問い合わせると「その便の空港は、ここではない」という。
何でもサンタクルスには空港が2つあって、もうひとつの空港から乗り継ぎ便が出るというのですが、アスンシオンでまったく聞いていない話でした(「地球の歩き方」にも空港が2つある旨の情報はなかった)。

判明したのが出発30分前。あわててタクシーに乗ってもうひとつの空港に向かいました。
もうひとつの空港名を航空会社の職員に書かせて、それをタクシーの運転手に見せたのですが、市内が近づくと「ホテル?」と言い出したりして迷走。
もうひとつの空港だということを何とか理解させて急がせたのですが、着いたときは出発時間を過ぎていました。

「でも途上国の飛行機は、結構な確率で遅れているだろうから、間に合うかも」と思って、空港に走りこむと、案の定、搭乗も始まっていませんでした。
「やれやれ。どうにか間に合った」と、安心したのもつかの間、今度はいつまでたっても搭乗が始まらないのです。冷房もない暑い待合室で2時間も待たされました。

「何でボリビアみたいな国の第二の都市に空港が2つもいるんだ」と怒りながら待っているうちに、もうひとつの疑問が浮上。

「アスンシオンで預けたキャリーバッグはどうなるのか?」

この航空会社の気の利かなさからして、2つの空港の間をトラックで運んでくれるとはとても思えな.い。
ということは、サンタクルスに着いたほうの空港から、次のラパス行きが出るまで、サンタクルスに置かれたままではないのか?

暑い待合室で2時間を過ごした後に搭乗した飛行機は、後方にタラップがある見慣れない機種でした。
「何だ、これは?」と思って、安全のしおりを見ると、「ボーイング727-200」とある。

ボーイング727って私が子供の頃、日本の空を飛んでいた飛行機ですよ。
小学5年生の時、乗った記憶があります。
大学に入った頃には、ほとんど見かけなくなっていました。
それをまだ使っているのです。

「2つ空港を造るお金があったら、もう少し新しい飛行機を使えよ」と、焼きを入れたくなります。

昔の飛行機って、車輪を出し入れするときの音がすごく大きいのですね。
機内設備とあわせて、少しレトロな気分になりましたが。

P1020693.jpg
P1020670.jpg.
P1020674.jpg

それで、ラパスに着いたのが午後4時半。
荷物引渡しのターンテーブルには、予想通り私の荷物はありませんでした。

次に、着いたほうのサンタクルス空港から便が来るのは午後8時。
航空便の需要がそのくらいしかないのに、サンタクルスに2つ空港がある理由はまったく不明でした。

ラパスは標高3700メートルの高地にあり、空港はさらに高くて4000メートル。
空気が薄くていきなり高山病の症状が出てきたうえに、寒い。

ホテルに先に向かって、荷物は後で運ばせようかとも思ったのですが、もうこの航空会社が信用できなかったので、寒さに震えながら午後8時まで待ちました。

ふつう乗り継ぎの空港が違う場合、
1、乗り継ぎ発着の空港が違うことを知らせる。
2、荷物はスルーでは行かないので、一旦ピックアップして自分で持って、乗り継ぎの空港に移動してもらう。
ということを案内するでしょう。
それをまったく案内しないどころか(スペイン語の通じる通じないではなくて、案内するそぶりがなかった)、抗議しても謝罪のひとつもない。

馬鹿なのか、無責任なのか、両方かもしれませんが。

アスンシオンから、ラパスの空港で荷物を引き上げるまで、都合12時間以上かかりました。
距離は札幌から福岡くらいなんですけどね。

そんなこんなで午後8時半過ぎに荷物をようやく引き上げて、タクシーに乗りました。
乗るときにホテル名と住所を見せると、運転手は自信満々に了解したのですが……。

ラパス市内に入って目的地が近付くと、運転手が「道順をディレクションしてくれ」と言い出すのです。
そんなこと聞かれても、私も地理がわからないからタクシーに乗っているので答えようがない。
「地球の歩き方」の地図を見せても、右往左往している。

「場所がわからないのだったら、通行人に聞けばいいだろ!」と思いましたね。

しかたがないので自分で窓を開けて通行人に、「すみません。ホテルイチバン(日系のホテル)はどちらですか?」とスペイン語で尋ねたのです。
それで運転手もようやく要領がわかったらしく、辻辻で道順を聞きながら、ホテルにたどり着きました。

この日は本当に疲れました。
どうして、どいつもこいつも真剣に物事を考えないのかと。

貧乏だから考える訓練ができていないのか、物事を考えないから貧乏になるのか。
「卵が先か、鶏が先か」みたいな話ですけど……。
スポンサーサイト



comment

Secret

プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は知財・契約管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード