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金持ちと水槽

U.A.E.(アラブ首長国連邦)のドバイに、2日間滞在しました。

ドバイと言えば、海岸沿いの高級リゾート、マリンスポーツ、デザートサファリなどのイメージがありますが、今回の旅行では縁がありませんでした。

というのは、ドバイで「豪遊」すると、旅行資金がなくなってしまうからです。

ドバイの物価は日本より高い。
私が泊まったのが1泊150ディナール(4500円)の宿なのですが、これで最低レベル。バス、トイレ共用の、カーペットから少し据えた臭いがする安宿でさえ、結構な値段です。

まあ、ひとりでリゾートホテルに泊まってもつまらないし、旅の長さも考え、「節約モード」での滞在になりました。
もっとも後にして思えば、1泊250ディナール(7500円)の中級ホテルに滞在してもよかったのですが……。

物価が高いことを除けば、ドバイは魅力的な場所です。

住人の7~8割が外国人だそうで、コスモポリタン的な雰囲気があります。
アジアから、アフリカから、そして欧米から、「豊かになりたい」野心を持った人々が集まっているようです。

こんな街はいままで見たことがありません。外国人同士の意思疎通はほとんど英語で、アラビア語の看板がなければ、どこの国にいるのだか判らなくなりそうです。イエメンでは女性が黒い布で顔を隠していましたが、ここではイスラム系の女性でさえ、頭に巻いているだけです。

ドバイは繁栄しています。
おそらく香港やシンガポールをモデルに、政府がフリーポート化(無関税の港、空港)、企業の誘致・育成などの施策を打ったところに、オイルマネーなどが流れ込んで、資金の好循環(バブル気味かもしれませんが)が起きているようです。

失業者らしき人やホームレスは、まったく見当たりませんでした。

そんなドバイ繁栄のひとつの例が、建設中の超超高層ビル「ブッシュ・ドバイ」です。
高さ800メートル超。完成すれば世界一のビルになります。

中国からイエメンまでの旅路では気軽にタクシーを使っていた私が、この旅で初めてバスの路線図を睨んで、バス会社の職員に乗るべきナンバーを聞き、ブッシュ・ドバイを目指しました。

運転手が「ここが最寄りの停留所だ」と教えてくれたところで降車し、ビルに近づいていきます。ところがいまいち高さの実感が沸かない。
上海で見た「上海環球金融中心」が493メートルなので、その1.5倍の高さがあるはずなのですが、そんなに高くは見えないのです。

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建設中なので、まだ上に継ぎ足していくのか、私の目の錯覚なのか、結局判りませんでした。

そのブッシュ・ドバイの隣に「ドバイ・モール」という商業ビルがあったので、ついでに入りました。
これが、日本のイオンを3倍くらいにした大きさ。
道に迷うくらい広いのです。

そしてなぜか、巨大水槽がありました。
このモールは水族館を併設しているのですが、一番大きい水槽を、買い物客にも公開しているようです。

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これを見たとき私は、江戸時代の豪商だった淀屋(大坂の淀屋橋を架けた商家)が、天井を巨大な水槽で覆って金魚を泳がせていたという話を思い出しました。

「古今東西、金持ちは水槽と魚が好きなんだ」と。
人間は使いきれないほどの大金を持つと、こういうことをやりたがる。

日本にも巨大水槽を持った水族館はありますが、有料です。
それを無料で見せてしまうところが、ドバイ商人のお大尽なところ。

後でガイドブックを読むと、ドバイにはショッピングモールが数多あり、なかにはスキー場を併設しているところもあるようで、客寄せ競争の一環だったようです。
ちなみに、このドバイ・モールにはスケート場もありました。

市内中心部のデイラにバスで戻ります。
ここから入り江を渡るアブラという渡し舟は、なかなか風情があります。
夕焼け時に乗ったのですが、港町とイスラムの雰囲気を味わうことができました。

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デイラは秋葉原や日本橋のような電気街でした。

フリーポートなので売られている商品の値段が気になったのですが、デジタルカメラは日本のほうが安かった。20年前、カメラはニューヨークのタイムズスクエア周辺の店のほうが安く、日本の流通業者を恨んだのですが、その後、家電量販店が力を持ったためか、内外価格の逆転は見られませんでした。

イエメンから移動してくると、ドバイには先進国の臭いがします。
自動車は多いのだけど、規制が厳しくて新しい車が多いせいか、空気はクリーン。
横断歩道では車のほうが止まってくれます(中国からイエメンまではすべて自動車優先)。

軟弱な話ですが、私は正直、ドバイのほうが安心します。

何でも手に入る、豊かで気楽な暮らしが好きなのでしょう。

だからブツブツ文句を言いながら、日本で18年半も働いているのだと思います。

ラオス、イエメンと貧しい国の旅行が続いて、少し疲れていたという面もあります。
暑さ、寒さ、乾燥(埃)、排ガス、食事の制約などが疲労を蓄積させています。1週間から10日間ほど、どちらか1カ国だけなら、もう少し年をとっても旅行できるでしょうが、続けるなると体力的に厳しい。

それが41歳という年齢なのかもしれません。

この後は、フランス、ベルギー、オランダに都合1週間。
旅はまだ半ばなので、態勢を立て直さなければいけません。

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プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は知財・契約管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

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