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紅の京都

今年は、10月初旬に父が亡くなったため、夏休みの海外旅行はありませんでした。

亡くなる前も、緊急手術や半危篤状態があって、頻繁に関西に帰っていたからです。
私の年代的に、そういう年もあります。

先日、父の五十日祭(仏教で言うところの、四十九日法要)があり、紅葉シーズンと重なっていたので、京都に立ち寄ってきました。

京都は近年、観光客が増えすぎて、「オーバーツーリズム」(≒観光公害)状態と言われています。
とりわけ紅葉シーズンは、訪日客が急増する以前から大混雑だったのに、内外の観光客が押し寄せると一体どうなるのか?

おそらく路線バスは、定員超過で何本も乗り過ごすことになり、紅葉の名所や神社仏閣付近では、道路の大渋滞に巻き込まれるでしょう。

そう考えると、鉄道だけでアクセスできる場所を目指したほうがいいと思ったのです。
鉄道なら車内が混んでいても、遅れることはほとんどないですから。

京都駅からJR奈良線の電車に乗り、次の東福寺駅で下車。
朝の9時前に行ったのですが、すでにかなり多くの人で賑わっていました。

駅から5分ほど歩いて、東福寺に到着。

東福寺は、本堂と開山堂の間に、川と谷があって、その上に「通天橋」という屋根付きの橋が架けられています。
谷には落葉樹の林があり、「通天橋」を渡ると、上方から紅葉が眺められるのです。

伽藍の設計者が、ここが紅葉の名所になることを意図していたのかどうかは分かりません。
「通天橋」は、最初は室町時代に架けられ、僧侶の行き来のために使われたのですが、時代が下がると、参拝客も通るようになったと思われます。

川と谷の周辺に、室町時代から落葉樹が植えられていたか否かも不明です。
自生していたかもしれないし、参拝者の目を楽しませるために、次第に植えられていったのかもしれない。

ともあれ結果的に、紅葉を上から眺める「スカイウォーク」ができあがったのでした。

「通天橋」からの眺めは、JR東海の「そうだ京都、行こう。」の広告で紹介されたこともあり、かなり有名です。
境内は、週末の原宿のように混み合っておりました。

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「通天橋」にたどり着くまでも、長い行列。
しかし、橋からの眺めは、それは見事なものでした。

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通天橋を渡り終えて、次はどこに行こうか少し思案したのですが、東福寺は庭園も有名なので、鑑賞のため方丈に入ります。

東福寺の方丈は、明治時代に一度焼失していて、庭も含めて昭和初期の再建になります。

再建時に、作庭家の重森三玲氏が、中世からの枯山水の伝統を尊重しつつも、モダンな要素を取り込んだ庭を再構築したのです。

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枯山水と言えば、龍安寺に代表される古典の名作が素晴らしいのですが、近代以降に作られた庭も、それはそれで趣があるものです。

やはり芸術は、伝統に縛られるだけではなく、時代に即して前に進める「勇気」が、鑑賞者の心を打つのだと思います。

さて、今回の帰省では、京都と大阪を結ぶ阪急の「京とれいん 雅洛」という電車に乗ってみました。

最近、よくある観光列車ですが、阪急の面白いところは、乗車券(大阪梅田-京都河原町400円)だけで乗れること。

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この車両はサロン風ですね。

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この車両は、座席が窓に向かっていて、車窓風景を楽しむことができます。

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そして、枯山水風の小庭がある車両も。
京都の寺院風に、丸窓もあったりします。

まあ、遊び心と言ってしまえばそれまでですが、阪急の「余裕」が感じられます。
こんなのに投資しても、特別料金を取るわけでもないし、ふつうの電車に乗る人が、1本ずらせて乗るだけなのですが。

「実入り」より「ブランド・イメージ」を大切にして、ずっと赤字の宝塚歌劇団を維持し続けている阪急らしい、太っ腹な金の使い方のような気がしました。
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プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は知財・契約管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

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