FC2ブログ

「現代アート」と「塩飽水軍」

10月下旬に、香川県へ行ってきました。
おもな目的は、瀬戸内国際芸術祭の鑑賞。
3年に一度開催される、この芸術祭には、毎回訪れているのですが、島々を巡る海の旅と、現代アート鑑賞が同時にできるのがいいところ。

私はふだん東京で暮らしていて、電車で自宅と勤務先を行き来しています。
そんな「日常」から離れ、多くの島々の間を船で行き来する時間は、気分転換にもってこいです。

瀬戸内国際芸術祭といえば、直島、豊島あたりがメイン会場と言えますが、会期末近くで混雑しているとの情報があったので、県西の塩飽諸島へ向かいます。

塩飽と書いて「しあく」と読む。私も読み方は知っていたのですが、なぜ知っていたのかは思い出せず。
たぶん、歴史雑誌の編集をしていたときに、覚えたのでしょう。

塩飽諸島の本島(ほんじま)へは、丸亀港からフェリーで渡るのですが、市内に丸亀城があったことを、突如思い出しました。
以前、四国にある江戸時代からの現存天守を巡ったときに、高知城、宇和島城、松山城には登楼したのですが、日程が合わなくて丸亀城には行けていませんでした。

せっかくなので、丸亀城にも行こうということで、フェリーを1本見逃して、城に向かいます。

DSCF3472.jpg
(右奥に見えるのが天守閣)

天守閣の最上階はこんな感じです。

DSCF3473.jpg

城内部の展示を見て、「へぇー!」と思ったのが、城主が代々「京極氏」だったということ。
京極氏は、室町時代の大名家というイメージがあったので、江戸時代まで生き残っていたとは知りませんでした。

丸亀城を見終わった後、フェリーで本島に向かいます。
本島で鑑賞した作品に、眞壁陸二さんの「咸臨の家」というのがありました。

DSCF3501.jpg
(床面に水が張ってある)

幕末に、幕府の保有していた軍艦「咸臨丸」で、太平洋を渡った水夫・横井松太郎の生家に、インスタレーションを施しています。
水面は海、背景の絵は水夫の見た光景をイメージしているとのこと。
しかし、何故、咸臨丸に塩飽本島出身の水夫が乗り込んでいたのでしょうか?

調べてみると、塩飽諸島は「倭寇」など水軍の本拠地としての歴史があったらしい。
江戸時代に入り、軍事力が必要とされなくなると、操船技術などを活かして廻船問屋に転業。
で、幕末に幕府の依頼を受けて、咸臨丸にも水夫を派遣したようです。

塩飽本島の笠島地区には、廻船問屋で栄えた町並みが遺こり、国の「重要伝統的建造物保存地区」にも指定されています。

DSCF3514.jpg

一軒一軒の建物がしっかりしていて、かつて栄えたことが偲ばれます。
これといった前知識もなく訪れた瀬戸内の島で、このような古い町並みに出会えるとは……。
瀬戸内の奥深さを、感じましたね。

この日は、丸亀城を訪ねたこともあり、島の訪問はここだけ。
夕方のフェリーまで時間があったので、自転車で島の一周道路を走り始めました。
途中から山道になり、息を切らせながら自転車を押して歩いていると、太陽が海に「光の道」を描いておりました。

DSCF3532.jpg

さらに、自転車を走らせると、相当に老朽化した廃校がありました。

DSCF3542.jpg

立ち寄ってみると、ここでは映画「機関車先生」のロケが行われたとのこと。

DSCF3547.jpg

ロケ地になって、訪ねてくる人もいるので、取り壊しを先延ばしにしているようです。
今まで時々旅先で、廃校舎に入ったことがありますが、机や椅子も揃っているところを見たことはなかったかも。
まさしく映画の一シーンを眺めているようで、“昭和の気分”に浸ることができたのです。
スポンサーサイト



comment

Secret

プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は知財・契約管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード