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中国最北の鉄路

3月9日から13日まで、中国北部を廻ってきました。

このブログでもしばしば取り上げていますが、私は旅行マニアであると同時に、鉄道マニアでもあります。
鉄道マニアにも色々な流派があるのですが、典型的な「乗り鉄」。

30代までに日本の鉄道には9割方乗りつくし、40代までに台湾や韓国の鉄道もほとんど乗ってしまい、日本から週末+αで行ける未乗の鉄道としては中国しかない状況です。

個人的にはタイやインドネシア、ヨーロッパの鉄道も好きなのですが、現地までの往復に時間がかかるのが難。
という訳で、またしても中国へ行ったのでした。

現在、中国の鉄道は予約が楽で、日本からインターネットで決済まで可能です。
日本はJR各社でオンライン予約システムがバラバラで、各社の会員に入会する必要があるので、外国からの旅行者にはひじょうに予約が難しい。実は中国のほうが進んでいるのです。

今回、旅の目当ては、中国最北端の街である、漠河を訪ねること。
中国最北端の漠河駅を目指して、天津から鉄路の旅を始めます。

成田空港から天津空港まで、バックパッカー御用達の春秋航空で飛び、天津駅からチチハル行きの快速列車に乗り込みます。

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たんに、中国最北端の駅を目指すならば、東京から黒竜江省のハルビンまで飛んだほうが楽なのですが、以前に中国東北部を旅行した際、ハルビンの街でタクシーが拾えず、列車に乗り損ねたことがありました。
今回は車窓風景が見られなかった敗者復活戦の意味も込めて、天津から北に向かうことにしたのです。

天津駅から乗った列車は、ウイグル自治区のウルムチ発、黒竜江省のチチハル行きという「3泊4日・66時間」の長距離列車。
日本で言えば、長崎発、博多経由、大阪経由、新潟経由、青森経由、札幌行きと言った感じの、大横断列車になります。

2等寝台の寝具にも、前々夜、前夜の使用感がありました。
まあ、中国の鉄道に「乗客が替わったら、寝具も交換するサービス」を求めるのも無理筋なので、そのまま使います(笑)。

朝、起きると列車は遼寧省の瀋陽周辺を走っていました。
ここから遼寧省、吉林省、黒竜江省の田園風景を見ながら、夕方、チチハル着。

チチハル駅前の、中国式ファミレス「李先生」で夕食を摂ります。

私が中国を旅行するとき、一番よく利用するのが、この「李先生」チェーン。
アメリカで起業したレストランが、中国本土に進出したそうです。

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(挽肉丼セット)

このチェーンで出されるのは台湾料理で、辛くないのがいい。
値段も、町場の食堂よりは高めですが、日本よりは安い。

チチハルのビジネスホテルで1泊した後、漠河に向かう普通列車に乗ります。

中国で面白いのが、普通列車とはいえ、長距離列車には寝台車が連結されていることでしょう。
日本の特急に当たる「特快」には時速160キロ対応車両、急行に当たる「快速」にはエアコン付き車両が充当されることが多いのですが、普通列車はエアコンなしの古い車両が多い。

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といっても、寝台や座席の乗り心地には大差がありません。
日本より線路の幅が広いことと、連結部に油圧ダンパーが装着されているので、かつて日本で走っていたブルートレインより乗り心地がいいのです。

チチハルを午前9時半に出発した列車は、各駅に停まりながら北を目指します。
チチハルの緯度は、稚内より高い北緯47度。

内陸部で夏の気温が上がるためか、耕作地もあるものの、次第に原野のような風景が多くなってきます。

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3月前半だとまだかなり冷え込みため、沿線の水辺も氷結しているのです。

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列車はゆっくりと北上を続け、翌早朝に北緯53度の漠河に着きました。
休息のため市内の宿に入り、昼に漠河市内を少し歩きます。

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ハルビンもそうなのですが、黒竜江省の街並みには、ロシアの影響がかなりあります。
歴史上、黒竜江省全体がロシアに支配されたことはないのですが、日露戦争前は多くロシア人がいたことと、ヨーロッパ建築のほうが寒さに強いことから、中国側が影響を受けたように思われます。

そして昼過ぎの普通列車で、チチハルに向けて引き返します。
車窓から見る白樺林が綺麗でした。

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途中の塔河という街で、いったん列車を降り、駅前で夕食を摂ります。
快速列車に乗り換えて翌朝ハルビンに着き、ハルビンの空港から東京に戻りました。

今回、中国最北端の駅を目指したのは、『中国鉄道大全』(旅行人)という本を読んで、中国最果ての鉄道に興味を持ったからでした。
それ以前、関口知宏さんの「中国鉄道大紀行」(NHKBS)という旅番組を見て、中国の無名なローカル線への憧れがあったこともあります。

日本最北の鉄道は宗谷本線ですが、終点の稚内が陸地の行き止まりになることと、サハリンとの交易が盛んでないこともあって、乗客の少なさや赤字に苦しんでいます。
それに対して、中国のチチハルと漠河を結ぶ鉄道は、チチハル寄りは耕作地、漠河寄りは広大な森林を控えていて、産業資源が豊富にある印象を受けました。ロシアとの交易ルートではないのですが、まずまず栄えています。
列車の本数や、車両の連結数も、こちらのほうが多いようです。

車窓風景はとりたたて美しくもなく、日本の鉄道のように変化に富んでいるわけでもないのですが、何となく中国の勢いを感じる光景が目につきました。

と言いつつ、4月下旬にはふたたび中国に渡ります。
ゴールデンウィークを使っての、チベット旅行。
標高5000メートルを走る青蔵鉄道からの車窓風景は、どんなものなのか。

今、手配を続けています。
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プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は知財・契約管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

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