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「中米」縦断

思えば、このブログのタイトルになっている、68連休世界一周旅行から、ちょうど10年が経ちました。
私も50代になり、歯が痛くなったり、膝が痛くなったり、年相応に衰えを感じる機会も増えたような気がします。

さて、日本のサラリーマンの場合、休暇の基本は1週間+αが相場で、私の場合も、手がけたプロジェクトの大成功という特殊要因があった10年前は例外として、その後はだいたい日程が9~10日程度で収まる旅を続けています。

そうすると、ラテンアメリカ(中南米)というのは、旅行するのが難しいエリアになります。
日本から現地まで、片道で丸1日、往復で丸2日要するので、滞在は8日間が限度。
しかも、エコノミークラスでの丸1日移動はかなり疲弊するので、現地でのフル稼働も難しい。

なのでこの10年間、ラテンアメリカには一度も足を踏み入れていませんでした。
しかし、これまで「中米」と呼ばれるエリアに行ったことがなかったので、思い切って予定を組んでみたのです。

中米の旅行先として人気があるのは、コスタリカとグアテマラ。
旅程を検討した結果、アメリカ経由でコスタリカに入って、グアテマラまで国際バスで駆け抜け、グアテマラから飛行機に乗って、帰国するルートを採りました。

ユナイテッド航空の往復航空券と、アメリカのESTA(入国審査の事前申請のようなもの)を入手したうえで、12月28日、コスタリカのサンホセ目指して出発。

成田空港から、サンフランシスコとヒューストンの乗り継ぎを含めて約21時間。
ヘロヘロになりながらサンホセ国際空港に到着したのですが、機内預けのキャリーバッグが、到着フロアのターンテーブルから出てこない。

「あちゃー。人生初めてのロスト・バゲージだよ」と嘆きながら、航空会社の職員に調べさせると、荷物は乗り継ぎ地のヒューストンに未だあるとのこと。
次の便で、キャリーバックがサンホセ空港に着くと言うので、翌日午前中にサンホセ市内の宿泊先まで届けるよう手配を頼んで、デイバッグひとつでホテルに向かったのでした。

ところが翌朝、宿で待てど暮らせどキャリーバッグが到着しない。
仕方がないので、ユナイテッド航空コールセンターに問い合わせたところ、サンホセ空港には着いているとのこと。

その日は、午後のバスでサンホセからモンテベルデ自然保護区に移動予定だったのですが、もう間に合いません。

航空会社がサンホセ市内の宿に荷物を届けることができないのに、その後に遠く離れたモンテベルデの宿に届けることができる気がしなかった(日本のように宅配便のサービスが整備されていない可能性大)ので、自ら空港まで荷物を引き取りに行くことにしました。

ただでさえタイトな日程が、初っ端から「ぐちゃぐちゃ」です。

空港でキャリーバッグを引き取った後、「今日は午後のバスでモンテベルデに移動予定だったのに、キャリーバッグが約束通り午前中に宿へ届かなかったから、移動できなかった」と航空会社の係員に抗議しました。

荷物係の職員が、チャックインカウンターにいる「シニア・バイザー」(写真向かって左)に話をつなぎ、交渉開始。

無題

前夜、手荷物担当の係員が対応を打ち込んだドキュメントや、モンテベルデでの宿泊予約確認書など、状況証拠はいくつかあったので、私の抗議は受け入れられ、「それでは、モンテベルデまでタクシー送迎でどうか?」という補償案が出て、合意したのです。

なかなか前向きな解決策にも見えますが、サンホセの2泊目代金が戻ってこなかったり、宿に一部置いていた荷物を空港からタクシーで取りに行ったりと、こちら側の「持ち出し」も多いかった。
正直、前夜キャリーバッグがきちんと届いて、2日目に予定通りバスでモンテベルデに移動できたほうが、安上りでした。
「でもまあ、日程が崩れなかっただけいいや」と思って、3時間半ほどかけてモンテベルデにタクシーで移動したのです。

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で、モンテベルデ自然保護区。
ここは熱帯霧雲林という生態系だそうです。
熱帯の林なのですが、熱帯雨林ほど降水量は多くなく、標高が高いせいか、涼しい時間帯もあります。
どこかしら屋久島の森に雰囲気が似ているような気がします。

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旅行番組やパンフレットでは、ケツァールやハチドリなど、きらびやかな色の鳥が見られるイメージがありますが、私が2日にわたって歩いた範囲では、鳥が見られそうな雰囲気はほとんどありませんでした。
ハチドリが一度、私のリストバンドを花と勘違いをして近寄ってきたのですが、カメラを構えているうちに去っていったのが唯一の鳥との遭遇。
あとは、サルを一度見たきりです。

まあ、時間や場所を工夫して、運が良ければケツァールを見ることができることもあるのでしょうが、あまり期待しないほうがいいようです。
熱帯霧雲林そのものは、気持ちよく森林浴ができて、リフレッシュにはなると思うのですが……。

モンテベルデで2日過ごした後、サンホセに戻って年越し。
1月1日から3日かけて、コスタリカ→ニカラグア→ホンジェラス→エルサルバドル→グアテマラと、国際バスで移動します。

実は移動するだけなら、コスタリカからグアテマラに飛行機に乗ったほうが楽だし、たぶん安いのですが、地上の風景や人々の暮らしを見るのが好きなので、ここはあえて陸路で移動。

コスタリカからエルサルバドルまでは、TICA社という、中米地域でもハイグレードなバスを使用します。
主要都市のバスターミナルに、ホテルが併設されているからです。

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元日は、コスタリカからニカラグアへ。
ニカラグアの車窓で印象的だったのは、火山でした。

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中米の地峡部は、太平洋プレートが大陸プレートに沈み込むところで、造山運動などで形成された地形。
構造としては、日本列島と同じです。
なので、火山もあるし、大地震も起きます。

元旦は、ニカラグアの首都・マナグアで宿泊。
ニカラグアは、コスタリカと比べるとかなり貧しいですが、今はキューバを範とする左派政権で、貧富の差は目立ちませんでした。
マナグア市内の治安も、さほど悪くない印象です。

1月2日、マナグアから、ホンジェラスの国土を通って、エルサルバドルの首都・サンサルバドルを目指しました。
中米でも国境のあり方はまちまちで、ホンジェラスは国境で指紋まで読み取るのに対して、エルサルバドルは国際バスの車内に出入国管理官が乗り込んできて、バス会社が作成した乗客名簿とパスポートを照合しただけでした。

夜にサンサルバドルへ到着し、バスターミナルからタクシーに乗ってホテルに向かったのですが、ダウンタウンにはゴミが大量に散乱していて、ヤバい雰囲気。

無題

エルサルバドルは、世界経済フォーラムが発表している「世界でもっとも危険な国ランキング」で、堂々の第1位。私がこれまで旅をした中で一番危険な国はイエメンで、外国人旅行者の誘拐が頻発していたのですが、そのイエメンは第4位でした。
エルサルバドルは、食べるもままならない者たちが、ギャング団に入って犯罪に手を染めていて、殺人事件が年に4000件起きているそうです。

私がいくら旅慣れていると言っても、この国で夜歩きする勇気はありません。

タクシーに、ホテルの前に停まってもらい、すぐにチェックイン。
ホテルは玄関に鍵もかかっていて、安全でした。

翌朝、朝食を摂るためにホテルの外に出てみると、ホテル周辺はさほど危ない雰囲気がありませんでした。
市民もふつうに歩いています。

安全を確認して、ホテル近くのバスターミナルまで歩き、グアテマラシティ行きの国際バスに乗車します。

サン・サルバドルから約6時間で、グアテマラシティに到着。
グアテマラも、「世界でもっとも危険な国ランキング」第6位なのですが、エルサルバドルから移動すると安全な気がしました。
夜も、ホテルから歩いて食事に行けたのです。

グアテマラシティで1泊し、地元の人々が利用する「チキンバス」で、アティトラン湖に向かいます。

無題2

このバス、アメリカのスクールバスのお古なのかもしれません。
座席は狭いのですが、パワーはまあまああります。

途中の街で乗り換えつつ、3時間半ほどでアティトラン湖畔のパナハッチェルという街に到着。
アティトラン湖は、昔、月刊「現代」で、【新・世界百景を選ぶ】という記事を制作していた時に、今年初めにお亡くなりになった旅行作家の兼高かおるさんが、強く推されていた場所でした。
それ以来、ずっと憧れていたのですがグアテマラは遠く、四半世紀の時を経て、ようやくたどり着くことができたのです。

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3000メートル級火山の脇に、南北14キロ、東西6~10キロの、大きな湖が広がっています。
その雄大な景色から、「世界でもっとも美しい湖」のひとつと称されることもあります。
実際、富士五胡をスケールアップしたような風景で、世界でも類のない絶景と言えると思いました。

湖の対岸の街では、インディオが派手な民族衣装を着て、生活している姿を見ることができます。

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そんなこんなで、5ヵ国の旅を終え、1月7日の夕方に帰国しました。

それはいいのですが、復路のアメリカ滞在中から、激しい下痢に見舞われ、帰国する頃には熱も出てきました。
成田空港から、時々休みながら帰宅すると、今度は吐き気もしてきたのです。

とは言っても、翌日会社を休む訳にもいかず、8日は最低限やるべき仕事をこなして早々に帰宅。
病院に行くと、「ウイルス性胃腸炎」との診断を受けました。
現地で食べた料理に、ウイルスが入っていたようです。
9日、10日も体調不良で、仕事は午前中のみ。11日にようやく午前午後通しで勤務できました。

私ももう決して若くないので、現地8日間で5ヵ国訪問などは、体力的に無理があったようです。

これで、訪問国総数は88に達し、目標の100ヵ国が少し見えてきました。

ただし、体力的に無理そうな旅はやめておこうというのが今回の教訓で、夏休みにエチオピアとマダガスカルを旅行するつもりだったのを、いったん見送ることにしたのです(笑)。
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プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は知財・契約管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

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