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中央アジア

8月下旬から約1週間、「中央アジア」に行ってきました。

「中央アジア」と呼ばれるのは、旧ソビエト連邦の一部で、中国ウイグル自治区より西、カスピ海より東、イランやアフガニスタンより北、ロシアより南のエリアになります。
具体的な国名を挙げると、ウズベキスタン、トルクメニスタン、カザフスタン、タジキスタン、キルギス。

すべてイスラム教が多数派の国です(ただし共産主義の時代を経ているので、宗教色は強くない)。

私はこれまで、このエリアを訪れたことがありませんでした。

共産党政権のソ連時代、門戸が資本主義国の国民に閉鎖的だった関係で、ソ連崩壊後もキルギスを除くとビザを取るのが煩雑(ホテルや鉄道や旅行ガイドの全日程手配が必要な国もある)なうえに、サマルカンドを除けば、これといった見どころが思い浮かばなかったからです。

あと、日本から距離的に近い割に、モスクワ経由でないと行けない時代があり、アクセスもよくなかった。

それが、時代の流れとともに、独裁政権のトルクメニスタンを除いてビザが緩和され、今年からは観光ビザ不要の国が、ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンの3ヵ国になりました。
さらに、アジアとの交易も増えて、韓国や中国を経由しての航空便が充実してきたのです。

そんな状況の変化があり、長年の懸案だった未踏国を、ようやく訪問することに。

初日は成田空港から、ソウル乗り継ぎで、ウズベキスタンの首都・タシケントへ入り、1泊します。

2日目は、タシケントから約3時間列車に乗り、古都・サマルカンドへ。
ウズベキスタンの鉄道は、なかなか快適でした。

サマルカンドは、誰しも地名を聞いたことがあると思いますが、14~15世紀にティムールが興した大帝国の都があったところです。
ティムール帝国は、現在の中国西部から、イラン、パキスタンまで勢力圏を広げた大国でした。
その都があったということで、大きなモスクや廟がその面影を遺しています。

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まあ、建物が壮大なのはいいのですが、デザインの繊細さや緻密さは、イランのエスファハーンにある歴史的建造物のほうが格上という気がしました。

ティムール帝国の全盛期が短かくて建造が拙速だったというべきか、長い時間をかけて成熟させたペルシャ(現在のイラン)の文化が凄いと言うべきか……。

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(レギスタン広場をバックに、結婚記念の写真撮影)

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(ティムールの一族が眠るアミール・ティムール廟)

サマルカンドは1泊で、翌日タシケントに戻り、さらに1泊。
4日目はタシケントから6時間ほど列車に乗って、キルギス国境に近い、アンディジャンへ向かいます。
途中で大きな峠を越えたのですが、分水嶺のトンネルの後、「風の谷のナウシカ」に出てくるような風景を見ました。

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アンディジャンからタクシーで国境に移動し、キルギスに入ります。

キルギスは、山岳風景が美しいことと、人々の顔が日本人に似ている印象があったので、かねてから訪問したい国のひとつでした。

キルギスに入った翌日、オシュという町から首都のビシュケクまで乗り合いタクシーで移動します。
「乗り合いタクシー」というのは、中央アジアではよく見かける交通手段で、町の決まった場所に「タクシースタンド」があって、目的地に行きたい個人客が集まってきます。
で、3人なり4人なり人数がそろえば出発し、料金も割り勘になるという仕組みです。

長距離バスのほうが、一度に多くの人を運べて経済的である(一人当たりの運賃も安くなる)ような気もするのですが、中央アジアではなぜか長距離バスをあまり見ませんでした。

タクシー運転手の雇用を守るためなのか、長距離バスのほうが経済的という概念がないのか、その理由は分かりません。

私がオシュからビシュケクまで乗ったタクシーは、宿泊したゲストハウスが手配した車で、ベンツの旧型車でした。
朝、オシュを出た車は、いくつもの峠を越え、山中を走り続けます。

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車窓から見た山岳風景は、前評判通り美しかった。
山裾のほうには緑が広がり、尾根に近づくにつれ岩山になります。
標高が上がると、山肌は雪を被ります。
日本の山岳地帯のように「山紫水明」というイメージではないのですが、乾いた世界のなかにも清々しさがあって、なかなかいいものでした。

オシュからビシュケクまで、所要12時間、走行距離約600キロ。
タクシーがベンツだったので、思ったほど疲れませんでした。

ビシュケクでも1泊し、6日目はイシク・クル湖へ。
イシク・クル湖は、標高1600mの高地にあり、湖の対岸には天山山脈の雪山が眺められます。
湖北岸にある、チョルポン・アタという街でバスを降り、1泊します。

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ここは中央アジア屈指のリゾート地で、湖岸のビーチは、湖水浴をする人で賑わっていました。
対岸には天山山脈の雪山が眺められ、海のような波もなく、水は青々と澄んでいる。
水温が夏でも20度前後と冷たいのですが、ここで泳ぐのは結構な贅沢かもしれません。

7日目は、イシク・クル湖からビシュケクに戻り、8日目はビシュケクからバスで国境を越え、カザフスタンのアルマトイに移動。
アルマトイの空港から夜行の飛行機に乗って、ソウル経由で帰国したのです。

中央アジア、他の目的地を差し置いて行くほどではないにせよ、旅慣れた人にはなかなか面白いエリアです。
民族的にはアジアですが、ヨーロッパの影響もほどほどに受けていて、しつこい物売りに声をかけられたり、ぼったくりに遭うこともほとんどありません。
街中で地図を見ながら、道を探していると、英語で声をかけて一緒に調べてくれる親切な人もいます。
サマルカンドの遺跡はそれほど美しいと思わなかったけれど、キルギスの山岳風景はなかなかの見もの。

そんなこんなで、私の訪問国数は83になりました。
100ヵ国まであと17ですが、あと17が厳しい。

ま、ぼちぼち行くしかありませんね。
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プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は知財・契約管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

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