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ラダック

遅めの夏休みを取って、インドのラダックに行ってきました。

ラダックはインド北西部、ヒマラヤ南側の山岳地帯にあり、19世紀半ばまで、チベット仏教を奉ずる独立王国でした。

今でも、チベット仏教のゴンパ(僧院)などがよく残っていて、旅好きには人気のエリアです。

9月上旬、成田空港から日本航空の直行便でデリーに向かいます(シートピッチ84センチの「新間隔エコノミー」だったので快適。ちなみに、私がいつも乗っているL.C.C.の間隔は71センチ)。

8時間ほどの飛行でデリー空港到着。
入管手前の壁面に、仏の手のようなオブジェが設置されていました。

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いかにもインドらしい装飾ですが、大阪の「かに道楽」や「づぼらや」といった、立体(食材動物)看板に発想が似ているかもしれません……。
道頓堀の「かに」のように、動いたりはしませんが。

空港近くの安ホテルで1泊し、翌朝の飛行機でラダックの中心地、レーの空港に移動。

レーは標高約3500メートル。
空気が薄くて、空の青が濃い。
到着日は高山病予防のため、あまり動かないで過ごします。

2日目から125ccのレンタバイクで、ゴンパなどを巡ります。

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私は10代から20代にかけてオートバイに乗っていたのですが、30代以降はほとんど乗っていなかったので、おっかなびっくりの安全運転。
最高時速は50キロほど。
それでも、インド人のアバウトな運転に肝を冷やします。

ラダックにはレンタカーがないので移動手段は、タクシーをチャーターするか、オートバイを借りるか、公共バスや乗り合いタクシーに乗るしかないのです。

私は自分が気に入った場所で、好きなだけ時間を過ごしたかったので、レンタバイクを使いました。

まずは、レーから19キロ離れた、ティクセ・ゴンパ。
チベット仏教の僧院です。
ラサにあるポタラ宮に、姿が似ているとも言われます。

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内部で祀られている仏像はこんな感じで、インド古来神の影響を受けているような気配が…。
もちろん、日本の寺と同じような仏像もあります。

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翌日は、レーから西へ65キロ離れたアルチ村へ。

ラダックは、ひじょうに乾燥した山岳地帯の谷沿いに、伏流水によって緑地帯が散在する地形で、緑を目にする場所もあれば、岩山ばかりのところもあります。

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使える水の量、耕作可能な土地が限られていることから、あまり多くの人口は抱えられない状況にあります。
今でも冬になると、インドの他地域との陸路が雪で閉ざされて、野菜が入ってこないらしい。
人が生きていくには、厳しい環境にあります。
が、厳しさゆえに、人々の間に「助け合い」の精神があるようです。

写真に撮られた風景は綺麗なのですが、その道中は、性能の低いバスやトラックの排気ガスを浴びて、結構疲弊します。
目にホコリや排気ガスが入って、目薬をさすために、しばしば一時停車していました。

3日目は、アルチとは逆の方向に45キロ走って、チェムレ・ゴンパへ。
最後の4キロは未舗装路で、轍で滑って転びそうになりました。

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なかなかの絶景です。
そのチェムレ・ゴンパは、岩山を背にした小高い丘に構築されており、いかにも密教の僧院といった威厳があります。

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内陣も、静謐かつ厳粛な雰囲気。
こちらのほうは、日本の仏教寺院にも通じる雰囲気がありました。

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いかにもチベット仏教らしいのは、マニ車でしょうか。
経文が刻まれており、廻すとお経を読み上げたのと同じ功徳になると言われます。

食事は、レー市内にある観光客向けレストランで。
基本的には西洋料理や中華料理なのですが、ラダックの郷土食もありました。

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これは「トゥクパ」と呼ばれる麺料理。
店によってつゆの味付けは違うのですが、これはカレー味でした。

どう見ても、食べても日本の「カレーうどん」そのもの。
中国からチベット経由で伝わった麺と、インドから伝わったカレーが、コラボしたようです。

ラダックは、現在はインドの一部ですが、他の地域とかなり雰囲気が違う。

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たとえば、このタクシーのおじさん。
ティクセ・ゴンパの朝勤行を見に行く際にチャーターしました。
その前日に、高台からレーを見ようと思って、展望スポットまでの送迎もお願いしたのです。

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(高台から見るレー郊外の町並み)

すると、自分で行くのではなく、近くにいた仲間のドライバーに仕事を譲ったのですよ。

タクシーの仕事はどこの国でも歩合制で、走れば走るほど稼げる。
インド本土の場合、オートリキシャの運転手などは、かなり激しく客の勧誘をする。
日本でも、客を他の運転手に譲るなどということは、ないでしょう。

しかし、この運転手は仲間に仕事を譲ったのです。

出発前、ラダックに関する研究者のフィールドワーク『懐かしい未来』(早川書房)を斜め読みして、ラダックにこういう譲り合いの精神があることは、知識としてはありました。
ただ、現地に来てみるとラダックでもかなり貨幣経済が浸透していて、一昔前の譲り合いの精神を感じることは、ありませんでした。
運転手によれば、冬のラダックにはまったく仕事がなく、家で寝るしかすることがないとのこと。
そういう厳しい環境と、チベット仏教の信仰が、仕事を仲間とシェアする発想に繋がっているようです。

高地で空気は薄いし、域内の交通事情もよくない。
国境紛争エリアなので、通信状況も悪い。

しかし、チベット文化や雄大な自然など、味わい深い魅力があります。
高山病は、予防薬や予防法がある程度あるし、旅慣れた人には、お勧めのエリアでしょう。

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プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は知財・契約管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

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