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シベリア

遅めの夏休みを取って、シベリアにやってきました。

旅のきっかけは、「タビリス」という旅行情報サイト。
昨年の終り頃、「来年、ウラジオストク空港でアライバルビザが発給される」という情報が流れたのです。

「アライバルビザ」というのは現地で取れるビザのことで、到着空港で申請手続きはありますが、出発前にビザの準備なく旅ができることを意味します。

ロシアはこれまで、すべてのホテル、交通機関の予約を取って、その証明書(バウチャー)を旅行会社に発行してもらわなくては、ビザが発給されない仕組みでした。
冷戦終結後、かなりの年月が流れたのに、旅に関しては旧ソ連時代と同じだったのです。

結局、今に至ってもアライバルビザの話は実現していないのですが、ネットで調べているうちに、ある旅行代理店を通せば、ホテルなどを予約しなくてもバウチャーが発行されることが分かりました。
ロシアの鉄道旅に出ていた旧知の旅行作家・下川祐治さんにもご教示いただき、バウチャーとビザ取得に挑戦しました。

半日休暇を2度取って、ロシア大使館に出向く手間はありましたが、無事に観光ビザを取得。

そんなこんなで成田空港から、ウラジオストク行の直行便に乗ったのでした。
離陸から着陸まで、2時間弱。
沖縄よりも近いかも。
ウラジオストク空港には、旧ソ連時代の設計と思われる、見たことのない飛行機が停まっていました。

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(イリューシン製の輸送機らしい)

ウラジオストク市内には、社会主義っぽいコンクリート製の建物もあるものも、帝政ロシア時代製とおぼしき石造りの建物もあります。

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東京から飛行機で2時間のところに、ヨーロッパの街並みがあるわけです。
実は、長崎のハウステンボスより近かったりして……。

ウラジオストク駅はシベリア鉄道の始発駅。
駅前広場の設計が古いせいか、今はバスが所せましと並んでいます。

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ウラジオストクは軍港としての重要拠点で、冷戦時代の日本人は立ち入り禁止でした。
今は開放されていて、かつての潜水艦が博物館になっています。

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乗組員の就寝スペース(吊り下げ式ベッド)の横に、魚雷が置かれていたのには、ちょっと驚きました。

港には、現役のミサイル艦らしき船が停泊していました。

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冷戦時代に、このような写真を撮っていたら、スパイ容疑で捕まったでしょうが、時代は変わったものです。

ウラジオストクの町中で、縦笛で「ゴッドファーザー」のテーマ曲を吹いている老人がいました。
芸人というより、物乞いに近い雰囲気だったのですが、割とすぐに通行人がお金を渡していました。

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ロシア人というと、終戦前後のふるまいから、「粗暴な民族」というイメージが日本人にはありますが、今回の旅を通じて見ると、実際には親切な人が多かった。
中国人が日本人のことを、戦時体験と反日教育から、「極悪非道な民族」と思い込んでいて、実際に今の日本を旅してみると、皆が礼儀正しいことに驚く、というのと、似たような話かもしれません。

ウラジオストクからシベリア鉄道に乗って、760キロ北にあるハバロフスクへ。
古びたコンパートメント型車両が、なつかしかった。

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車窓は、ほとんど大平原です。
日本人や中国人なら何か作物を栽培したり、牧草地にするのでしょうが、何にも使われておりませんでした。

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ロシアの極東地方は人口が少ないので、たぶん無理して土地を使う必要がないのでしょう。

約12時間でハバロフスク着。

ハバロフスク駅前に、路面電車の電停があるのですが、古びた車両と、無機質な高層アパートが、社会主義だったソ連ぽくて、懐かしかった。

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ハバロフスクは人口約70万人で、ここもそれほど派手ではないですが、ヨーロッパっぽい街並みがあります。

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ハバロフスクでは、駅構内のカフェテリアでロシア風の料理を味わいました。

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ふつうのレストランに入ると、メニューはキリル文字でまったく読めないし、ほぼ英訳もついていないので困るのですが、手差しで注文できるカフェテリアはありがたいものです。
ロシア料理は全体にマイルドで、日本人にもおなじみなのですが、今はルーブル安で腹いっぱい食べて、飲み物つきで約400円でした。

そしてハバロフスクから夜行列車で、ブラゴヴェシチェンスクに。
ここは、アムール河(黒龍江)をはさんで、中国の黒河という街に面しています。

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(奥に見える観覧車は中国領内)

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黒河とは、ビザなしで行き来ができるらしく、道路案内板には中国語が併記されています。

私はこれから、アムール河を船で渡って、中国に越境。
黒河からハルビンまで鉄道で移動して、飛行機で帰国します。

観光をしてそれほど面白いわけでもないけれど、これまで「鉄のカーテン」で閉ざされた印象だったロシアの素顔が垣間見れて楽しかった。
ロシアはいつ、再び自由旅行ができなくなるか分からないので、来年あたり、サハリン(樺太)にも行ってみたいと思っています。
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プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は知財・契約管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

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