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沖縄キャンプ

今シーズンは、黒田博樹投手の広島カープ復帰で盛り上がるプロ野球。

ちょっと前の話になりますが、2月にDeNAベイスターズと中日ドラゴンズのキャンプを見るため、沖縄に行ってきました。

中日では、昨年、最年長勝利記録を更新した山本昌投手がお目当て。
2軍キャンプ地の読谷(よみたん)村で、若手と一緒に汗を流していました。

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49歳で現役というのは、驚異的なことで、今シーズンも元気な姿を見せてほしいところなのですが、本人もインタビューで「脚に不安がある」と言っていた通り、3月の実戦で脚を痛めてしまいました。

個人的には、12~13年前から彼の個人サイトにあるエッセイの愛読者で、長年の中日ファンでもあるだけに、何とか快復して、夏頃でいいので、1軍のマウンドに上がってほしいと願うばかりです。

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ちなみに、山本投手の歩く先にある工事現場みたいな建物が、2軍の投球・室内練習場です。

テレビなどでは外観が映らないのですが、本当に「仮設」で、華やかなプロ野球の世界も、裏に回れば地味な部分があるもんだと、感心しました。2軍のキャンプだったからかもしれません。

宜野湾市のDeNAベイスターズ1軍キャンプでは、久保康友投手を見てきました。
久保投手は、私と同じく奈良県橿原(かしはら)市で育ち、高校も関西大学第一高校(関大一高)の後輩にあたります。

久保投手は高校時代に、母校を69年ぶりの甲子園に導き、春の選抜大会ではあれよあれよと言う間に決勝戦にまで進出したのです。

決勝の相手は、松阪大輔投手を擁する横浜高校。
両チームの力の差は歴然としており、0ー3で負けました。
夏も甲子園に出場し、準々決勝まで進出したのですが、明徳義塾高校に敗れました。

久保投手は、春と夏の甲子園で、計7勝したのですが、すぐにプロには進まず、松下電器に入社。
社会人時代はしばらく低迷し、プロ入りまで6年かかっています。

「松阪世代」という言葉があるように、この年は素晴らしい投手が輩出しており、松阪が「横綱格」だとすれば、杉内俊哉(ソフトバンク→巨人)、和田毅(ソフトバンク→オリオールズ→カブス)、館山昌平(ヤクルト)が「大関クラス」でしょうか。

久保投手は、その次のクラスといった存在でした。

それが、昨年は安定感抜群で12勝を挙げ、今期はDeNAの開幕投手も務めます。
中畑監督からもエースとしての期待をかけられているようです。

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私は、郷里と高校の後輩ということもあり、以前から彼の投げる試合はマメに見ていました。

で、面白いのは1球ごとに投球モーションの速度が違って、同じ球種でも何通りかの球速で投げ分けられることです。

打者からすれば、投手がモーションに入ったところからタイミングを計ってバットを振るので、モーションの速さが違ったり、同じ球種でスピードが10キロくらい違うと、最適なポイントでミートすることが困難になります。

説明すれば簡単な話に聞こえるのですが、私も長い間野球を見てきて、こういうタイミングを合わせられない工夫をこらしたピッチングは、見たことがありませんでした。

「コロンブスの卵」というか、プロのレベルでは、聞いたこともない話でした。

二宮清純さんのインタビュー(「週刊現代」掲載)によると、彼の独特の投球術は、甲子園の決勝戦で松阪大輔投手に、完膚なまでに力負けしたところから、創意工夫が始まったとのこと。

全国大会の決勝であるにも拘わらず、久保投手はイニング交代の際に、松阪投手から「ここまできたんだから、最後まで頑張ろう」と励まされたいたというのです。
松阪投手に力の差を見せつけられ、それでも差を縮める工夫を始めたのでしょう。

高校時代は力投型だった久保投手が、松下電器時代にクイックモーションを習得し、プロ入りする頃には技巧派になっていました。
最初に入った千葉ロッテマリーンズで新人王を獲得しましたが、その後は好不調の波があり、2軍落ち、中継ぎや抑えに回ったこともあります。

本人の中でも、色々と試行錯誤を重ねて、昨シーズンあたりから、モーションと球速を変化させる独特のピッチングスタイルを開花させたようです。

しかし、この投球術を久保投手が発案したのか、大きな謎でした。

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(奈良県出身のプロ野球選手が描かれた、県人会制作のTシャツを着ていました。ちなみに「ハマの番長」三浦大輔投手も奈良県橿原市出身です)

それで、私もせっかく沖縄まで行ったので、サインをもらうついでに、本人に直接聞いてみたのです。
「1球ごとに、モーションの速さを変えたり、球速を変化させるのは、久保さんの発案なんですか?」と。

久保投手の答えは、
「こんなことやってる人、他にはおらんと思いますけど」
でした。
自身の発案かどうか明言しませんでしたが、プロのレベルでは久保投手だけが実現した投球術のようです。

久保投手はオープン戦無失点で、好調を維持しています。
この調子なら、今シーズンは15勝くらいできそうです。

彼の投球術が成功すれば、野球のセオリーが一部変わるかもしれません。

そういう意味で、今シーズンは、広島カープの優勝、山本昌投手の史上最年長勝利の更新とともに、久保投手の活躍に期待したいところなのです。
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プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は書誌情報の管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

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