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慎重に、したたかに、

明日、出発します。

「準備万端」というにはほど遠い状況ですが、最低限の用意はしました。

あとは、自分の旅の技術を過信せず、体力も考えながら、無事に帰ってくることを優先に、慎重に行動します。

と同時に、「何でも見てやろう」的な野次馬精神は忘れずに、したたかに歩いてきます。

次の更新は、中国からになるでしょう。

これからも、当ブログのご愛読、よろしくお願いします。
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砂漠の摩天楼

先ほど、何気なくヤフーのトップページを立ち上げると、「砂漠の摩天楼、豪雨で被害」という記事がありました。

ここは、「ルートを決める(2)」で書いたのですが、イグアスの滝、アラスカのオーロラと並ぶ、旅のハイライトのひとつです。

イエメンは、12年ほど前にケニアとタンザニアを旅行した際に、飛行機の経由地で上空から風景を見て以来、恋い焦がれていました。
しかし、内戦があったり、私が忙しくなったりでなかなか行けず、今回やっと行けると思って楽しみにしていたのです。

「砂漠の摩天楼」シバームは日干し煉瓦で造られた築数百年のビル街で、「世界最古の摩天楼」とも呼ばれています。地震と雨がほとんどない地域なので、日干し煉瓦で建てても長持ちしたのですが、豪雨で崩落の危機だなんて……。

崩壊していなければいいのですが。
もう少し情報を収集しなくてはいけません。


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途中下車

仕事のほうは、何とか10月中に納まる見通しが立ちました。
イエメンのビザは申請済み、海外旅行保険も掛けました。

さて、私は21歳から22歳にかけて、8ヵ月間の世界一周旅行を経験しています。
その経緯は、またいずれ書くと思いますが、なぜ40代で2度目の世界一周を目指そうと思ったのでしょうか?

このブログの2回目で、口笛太郎君の存在については書きました。
それに加えてもうひとつの理由があります。

私は23歳で大学を出て、外資系ではない企業に就職しました。
学生のような長い夏休み、春休みはありませんから、これまでは「次の長期旅行は定年後」と思っていたのです。昔の旅仲間とも、そういう話をしていました。
ところが40歳になる頃から、徐々に体の衰えを感じ始めたのです。

たとえば、極端に夜更かしした翌日や、早朝に起きて活動した日に、よく吐き気がします(健康診断では問題なし)。
目のピントが合うのが遅くなって、遠景を見たあと新聞を読んだり、本を読んだ後遠景を見ると、ぼやけてよく見えないこともあります(眼科に行ったのですが、「年相応の衰え」とのことでした)。
髭や鼻毛にも白髪が交じり始めました。

20代から30代までは、スポーツクラブのエアロバイクで息が上がるのが早くなったとか、「単なる体力の低下」だけだったのですが、40歳を越えてみると、体のあちこちがガタピシ鳴っているような「老朽化」を感じるのです。

このまま定年まで待ってしまうと、鉄道やバスを乗り継いで大陸を横断するような旅行は難しいような気がしました。
おまけに年金財政の悪化で、60歳で引退できるかどうかも怪しい。

旅は、何も現地の人と同じ交通機関を使って陸路で這い廻るだけではなく、飛行機で観光地の近くまで乗り付けてからレンタカーやタクシーで廻ってもいいのですが、それだとどこか面白みに欠ける。人々の生活が見えないし、現地の人との触れ合いも少なくなるからです。

もう若くはないので、「貧乏旅行」はしなくていいのですが、自分でバッグを持って、鉄道や路線バスで旅をしたい。私にはそんな願望があります。

まだ体力が残っている40代のうちに、もう一度「放浪」みたいな旅をしたいと思ったわけです。

あと、自分の人生、あるいはサラリーマン生活が、折り返し点に差し掛かったということもあります。
ちょうど中間地点ならば「中休み」を取ってもいいのではと思ったのです。

もちろん、企業においても家庭においても責任の重い時期なので、「それは甘い」という考え方もあるでしょう。
しかし、組織における責任なんてのを真面目に考えはじめたら、皆、60歳まで全力投球しなくてはいけないでしょう。そして、全力投球しているうちに壊れる人が大勢出るのが、日本の現実です。
私もあと20年近く、脇目も振らずに必死に働くことが「幸せ」だとは、とても思えない。

とすれば、「抜けるときに、抜く」という選択肢があってもいい。
人生という名のレールから、「途中下車」するのです。

こういう考え方は、日本の会社ではなかなか受け入れられないでしょう。
だけど、誰かがやってみれば、一石を投じることになるかもしれない。

ドン・キホーテなのかもしれませんが……。


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旅立ちの前に(3)

出発まであと10日。

準備のほうは、遅ればせながらも何とか間に合わせるべく動いています。

イエメンのビザ申請、国際運転免許証取得、黄熱病の予防接種、海外旅行保険の加入など、まだ諸手続きが残っています。

IT対応も、デジカメからSDカードとミニノートパソコンを経由して、ブログに写真をアップすることに成功しておらず、どうしても出来なければ、誰かにやり方を教えてもらわなくてはいけません。

片言しか話せない中国語とスペイン語は、出発前に簡単なレッスンを受けたかったのですが、目処が立っていません。

何よりも本業の仕事がなかなか片付かなくて、そのうえ新しい仕事が発生することもあります。

先日も、とある事業提携案を新規取引先に持ちかけたのですが、「私、10月中は日本にいるのですが、11月、12月と海外に出ておりまして」と、苦しい言い訳。初めてコンタクトする人に「あと10数日で、長期休暇に入ります」とも申し上げにくく、「電子メールは通じますので、ご回答が来月になりました際は、よろしくお願いします」と、お話ししました。

ドタバタの日々。
とはいえ、旅行の準備でどうしてもやっておくべき事は、イエメンビザと黄熱病予防接種、海外旅行保険の加入だけで、イエメンビザもたぶん現地の空港でも取れるようなのです。

荷造りの下準備は、今度の週末でやるつもりです。
痔はとりあえず良くなったので、今週は仕事を進めるだけ進めておいて、旅の最後の準備は来週やる腹づもりです。

「不良社員」として生きる

友人・知人に「68連休を取るんだ」と話をすると、「よく会社は許したな」という感想と、「そんな休みを取って大丈夫なの?」という質問をいただきます。

1つめの感想に対しては「ふだんから奇矯な行動をとって、同僚や上司から『あいつは馬鹿だから、しかたない』と思わせればいい」と答えています。これは嵐山光三郎さんか森永卓郎さんの本から学んだ処世術です。
ただし、ただの馬鹿ではいけません。時々は仕事をするのです。
理想は、『釣りバカ日誌』のハマちゃんのような感じです。
そして頭の柔らかい上司に恵まれることも必要でしょう。

2つめの質問に対しては「たぶんクビにはならないと思う。けど、社内での栄達は捨てたよ」と答えることにしています。

私はまだ管理職ではないのですが、管理職になることが幸せだとは思えません。
売り上げのノルマが厳しいし、会議も増える。さらに、コンプライアンスから部下のメンタルヘルスまで細かく気を遣わなくてはいけない。
正直言って、プレーヤー(現場)専任でやったほうが楽しいでしょう。

元ヤクルトの古田選手が、監督に就任前、ずっと嫌がっていた気持ちが、なんとなくわかります。
実際彼は、プレーイング・マネージャーになったことで、選手としても監督としても精彩を欠きました。

自分が社内での栄達を目指さない方針を固めたとき、考えたのが後輩との関係でした。
サラリーマン社会で一番みっともないのは、昨日まで「~君」とか「~しろよ」とか偉ぶって接していた後輩が突然上司になって、「~さん」と敬称で呼ばなくてはいけなくなる瞬間です。

私はまだ年下の上司に仕えたことはないのですが、自由奔放な生き方を選ぶ以上、これからはそうなることが、ままあるでしょう。

とすれば、はじめから後輩を「~さん」と呼んでおけばいいのではないでしょうか。
「さん」付けで呼んだあとは、タメ口でもいいが、偉そうな口はきかない。
そうしておけば、将来後輩が上司になっても、違和感はないでしょう。

まあ、そんな感じで昇進への野心を捨てれば、長期休暇を取れる可能性が出てくると思います。

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プロフィール

浅井潤水(じゅんすい)

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の大学を卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジン、新書、文庫などの編集に従事した後、現在は知財・契約管理部門勤務。
おもな担当書に、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、三浦展・菊入みゆき『職場で“モテる”社会学』、碓井孝介『偏差値35から公認会計士に受かる記憶術』、『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』、週刊「昭和の鉄道模型をつくる」、ジミー大西『トーテンくんのオーケストラ』などがある。

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