高速バスの事故

高速ツアーバスで、痛ましい事故が起きました。

私も、しばしば高速バスを利用していたので、夜行の一人運転に危うさがあることは認識していました。昨年3月の本ブログにも書きましたし、旅行雑誌に「シートの座り心地も大切だけど、運転士の数を掲載したほうがいい」と、投稿したこともあります。

自身の運転経験に照らしても、東京―京都や、東京―盛岡など500キロ程度の夜通し走行だと、かなり長めの休憩を取らないと、身が持ちません。

一人旅なら、好きな時間だけ休憩できますが、バスの運転士だと乗客がいるのでそうもいかないでしょう。泥棒対策の見張りや、出発前の乗客数確認も必要で、完全な休息にはなりません。
疲れたときに交代してくれる、相棒の運転士は必要なのです。

私はかつて、「旅の散策ツアーズ」のバスで一人乗務の危なさを認識してから、二人乗務のバスを選んで乗っていました。具体的には「V.I.P.ライナー」や「MKナイトシャトル」です。

これから規制が厳しくなると思いますが、とりあえずは大手で良心的な会社を探す(運転士が二人かどうか電話で確認する。あまりに新しい会社は避ける)のと、一番安いスタンダードシートのバスは、他社に業務委託されたものである可能性があるので、4列でもゆったりシートや3列シートの自社運行便(そのツアー名・ブランドが車体にデザインされている)を探すといいでしょう。

関東―関西路線で、私のお勧めは「V.I.P.ライナー」です。待合所(専用ラウンジ)もよくできているし、乗務員の態度もいい。シートもいい。
それよりやや運賃は高くなりますが、長い歴史をもつJRバスも、安全重視の乗員配置です。

それにしても国交省の不作為はひどい。
今回のバス事故は、福島原発の放射能汚染、薬害エイズと同様に、霞が関官僚の「怠慢」がひき起こした惨事といえるでしょう。


旅行用の歯磨きコップ

長い間、旅を繰り返してきて、ずっと懸案だったのが、「旅行用の歯磨きコップには、何を使うか?」という問題でした。
私は、昼食を含めて食後に歯を磨くのを習慣にしていて、外出先の洗面所で磨く機会も多い。

うがいのとき、蛇口からの水を手の平ですくうのは、寒い季節は辛いし、暖かい季節でも手がびしょ濡れになります。そして石鹸がない洗面所(駅のトイレなど)では、いまいち不衛生な気がします。

かといって市販のコップを持つのは、荷物がかさばります。

で、これまでは使用済みのコーヒー缶などを使っていたのです。
旅行用品売り場で「携帯灰皿みたいな、折りたたみコップがあればいいのになあ〜」と思って探したこともあるのですが見つからず、JTB(旅行用品を扱う関連会社がある)の人に提案したこともありました。

ところが最近、蓋つきの小さな缶コーヒーを飲む機会があって、この空き缶を歯磨き用コップとして使ってみると、便利なのですよ。

ふつうのコーヒー缶より水を入れやすいし、出しやすい。体積は小さい。開口部が大きいので、使った後も内部が乾きやすい(=水臭くなりにくい)。

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「ウコンの力」などの薬剤系の缶でもいいのですが、それだと小さすぎるかもしれません。

私は、このミニ・コーヒー缶を歯ブラシなどと一緒にチャック付きビニール整理袋に入れて、デイバッグに放り込んであります。

意外な結論だったのですが、これはなかなかスグレモノでした。

デフレ時代の沖縄プチ旅行

4月上旬に、ちょこっと沖縄に行ってきました。

とくに行きたかった訳でもないのですが、両親が沖縄旅行の企画を立て、「もうこれが、最後の遠出になるかもしれないから(父親が、いつ再発するかしれない心臓病を患っている)、お前も来い」と言っていたので、顔を出すことにしたのです。

ゴールデンウイーク前の忙しい時期なので、気乗りがしなかったのですが、1泊2日の日程を確保しました。
そして、「行くなら、なるべく安く」と思って調べると、成田から那覇までスカイマークの飛行機に乗れば、片道12800円で行けることが判明したのです。

スカイマークは、元々日本航空や全日空よりは安い運賃設定なのですが、羽田発ではなく成田発にすれば、さらに安くなります。新幹線なら大阪までと同じくらいの運賃で、3倍以上の距離を移動できるのです。

で、日暮里駅から成田空港を目指します。
スカイライナーに乗っては、わざわざ成田に行く意味が薄れるので、ふつうの車両の特急に乗ります。

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(成田まで70分以上。スカイライナーの倍時間がかかる)

成田空港から、スカイマークの旅客機に乗ります。

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(空港施設使用料の節約のためか、バス移動&タラップでの搭乗)

スカイマークの座席は、とくに狭くもなく、格安エアライン(LCC)とは少し趣が異なります。
ドリンクは有料ですが、コーラなど1本100円と安い。

3時間ほどで那覇空港着。
モノレールで市内に向かい、「ニコニコレンタカー」という格安レンタカー会社でクルマ(先代のマーチ)を借ります。
24時間借りて3360円と、既存レンタカー会社の約半額です。

近年、増えつつある格安レンタカーは、ガソリンスタンドとフランチャイズ契約して、兼業させている例が多い。さらにクルマは中古車を整備して使っているので、既存レンタカー会社より、安く料金設定できるのです。

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夕方、那覇に着いてレンタカーを借り、親きょうだいの泊まっている「ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート」へ顔を出して、しばし滞在した後、恩納村の「南国荘かわらや」という宿に泊まりました。

この宿、シャワー・トイレは共用なのですが、ちゃんとした個室(4畳半)で、宿泊料金は1500円(楽天トラベルで予約)。個室料金としては、私がこれまで国内で泊まった宿の、最低新記録です。
エアコンもあり、寝具は清潔。寝るだけならなかなか快適な宿でした。

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(南国らしい外観。1階は居酒屋で、宿の受付も兼ねる。兼営だから安くても成り立つのかも…)

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翌日は「琉球村」という、沖縄文化を楽しむ小さなテーマパークに行きました。

「ハブとマングースのショー」というのがあって、両者の対決だと思って観たのですが、ハブとマングースを別々に紹介するだけで、対決はなし。騙されたような気分です。
同じように勘違いしてショーを観てしまった弟のあやふやな記憶によると、「動物虐待になるから、自粛するようになったのではないか」とのことですが、スペインの闘牛や、高知の闘犬、青森の闘鶏はいいのに(たぶん)、どうしてハブはダメなんでしょうかね?

ともあれ、世の中では「デフレ」「デフレ」と騒がれていますが、旅に関しても本当に安くなったような気がします。

今年3月には関西空港をベースにしたピーチが就航し、大阪発の国内航空運賃が大幅に下がりました。

そしてこの夏には、エアアジア・ジャパンとジェットスター・ジャパンという2社の格安エアライン(LCC)が、成田空港をベースに開業。スカイマークと三つ巴でさらに運賃競争が激化するでしょう。東京からも、成田空港を利用して、北海道、九州、沖縄などに安く旅行できるようになるのです。

宿泊費もネット予約での競争によって下がり、レンタカー代も新業態の広まりで下がっています。
今回は使いませんでしたが、高速バスも便利になっています。

一度の旅にお金をかけるより、ひんぱんに旅に出る私みたいなタイプの旅行者にとって、楽しみな状況です。

でも、国内線に乗るために成田空港まで行くのは、なかなか疲れるものですが…。

カザフスタン転勤

私は年末年始に関西に帰省すると、だいたい大学時代のゼミ仲間に会うことにしているのですが、1月のある日、そのうちの1人から、こんなメールが届きました。

「D君が、カザフスタン転勤になるらしい」

D君は、総合商社勤務ではなく、グローバル規模のメーカー勤務でもなく、業界4位〜5位のコンビニに勤める男だったので、仲間内に衝撃が走ったのです。

カザフスタンには、私も行ったことがありません。
中国のウルムチから、鉄道が接続された話は聞いたことがあったので、場所はだいたいわかるのですが、コンビニが進出するようなイメージが湧きません。

中央アジア(ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスなど旧ソ連から独立したイスラム教諸国)は、ビザの取得が面倒という印象があるのと、サマルカンドを除いてこれといった見どころが思い浮かばないので、あまり旅行先として考えたことがありませんでした。

下川裕治さんの著書『歩くアジア』(双葉社文庫)と、『世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ』(新潮文庫)には、
1、昼間の気温は40度を超える。1日4リットル水を飲まないと脱水症状になる。
2、男性も女性も、左右がつながるほど眉毛が濃い。
と、日本人には想像もつかない話が書かれてありました。

そんなところに何故、転勤になったのしょうか?

D君から聞いた断片的な話によると、
・国内のコンビニ市場は完全に飽和状態で、これから人口が減っていくので、縮小傾向にある。
・会社として成長戦略を描くためには、ノウハウを持って海外に進出するしかないが、中国には、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートの「3強」が足がかりを築いていて、太刀打ちできない。
・なので、業界4〜5位のその会社としては、中国以外のアジア諸国を狙っている。
・カザフスタンは産油国で、一人当たりのDGPが1万ドルを超え、マレーシアと並んで「中進国」のレベルにある。
ということらしいです。

しかしD君にしても、コンビニ業界に就職した時点で、まさか自分がカザフスタン転勤になるとは、夢にも思っていなかったでしょう。
40代になって初めての海外勤務、単身赴任、語学の習得も充分ではなかった等々、これから大変すぎるほど大変だと思います。

壮行会を催そうにも、本人が転任準備に忙しすぎて、実現が難しい情勢。

「日本の少子高齢化」「グローバル化」の余波が、こんなところに押し寄せることになるとは…。

げに、恐ろしき時代です。

尾道・鞆の浦・倉敷

奈良への帰省と仕事始めの間をぬって、広島と岡山の古い街を訪ねてきました。

まず、尾道。
山と海に挟まれて、狭い街並みが東西に伸びています。
街中はいたるところ坂道で、上りつつ振り返ると、こんな風景が見られます。

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坂を下った先に見える川みたいなのが尾道水道(海峡)で、その後ろは向島です。
観光マップにあった「古寺めぐりコースを」を歩きつつ、千光寺に向かいます。
その展望台から見える尾道の風景は、街と海と島が織りなす光景が美しい。

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(天気が良ければ、もっと綺麗だったのですが)

千光寺には、ちょっと面白いお参りの仕方がありました。
三十三観音堂というところで、大きな数珠のようなものがぶら下がっていて、これを回しながら珠を落としていくと「カチカチ」と音がして煩悩を打ち消して、観音様の御守護があるということです。

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なかなかのアイデアだとは、思えませんか?

尾道は山麓に多くの寺があり、参拝しながら散策します。

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ひとつひとつのお寺や神社が山裾にあり、訪ねる度に坂道を上ったり下ったりで、結構、いい運動になりました。

翌日は、福山市の鞆の浦に。
映画『崖の上のポニョ』の舞台になった(宮崎駿監督がここで構想を練った)といわれる街は、奈良時代から遣唐使の船などが風待ちに使っていた天然の良港で、古い街並みが残っています。

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何せ奈良時代から使われている風待ち港だけあって、足利尊氏、坂本竜馬など多くの歴史上の人物が、この街を訪れているそうです。

街を歩いていると、保育園がありました。
これが映画『崖の上のポニョ』で、宗介くんが通っていた保育園「ひまわり園」のモデルかもしれません。

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そして、倉敷。
私が昨年9月に『コシノ洋装店ものがたり』という本を担当して、岸和田だんじり祭のときに、生家に集まっていたコシノ三姉妹(コシノヒロコさん、ジュンコさん、ミチコさん)に、ご挨拶に伺いました。
その際に、同席していたNHKの人から「『カーネーション』(コシノ三姉妹の母がモデルの連続テレビ小説)は倉敷などでロケをしました」と聞いていたので、実際の風景を見てみたかったのです。

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地元の知り合いにも、どの辺りでロケをやったか教えてもらったのですが、自分のなかでテレビを観ながら「ここは倉敷だろう」と思っているところとは、実際の風景は違っていました。倉敷に来たのは今回が初めてなのですが、先入観というか、イメージは意外に当てにならないものです。

とまあ、昨年10月の中国東北部旅行から、久しぶりに旅に出たのはいいのですが、1月4日の帰路は岡山からの新幹線が乗車率130%の寿司詰め状態。
「遅い時間帯の自由席なら、何とか座れるのでは…」との予測は外れ、京都でようやく目の前の席が空いて、座れたのでした。

空き時間を活かしての旅にも、なかなか辛いところがあります。
深夜、東京に戻るとヘトヘトでした。
プロフィール

Author:浅井潤水(じゅんすい)
大阪生まれ、5歳より18歳まで奈良で育つ。大阪の私立大学卒業後、東京の出版社に就職。総合月刊誌、写真週刊誌、ワンテーマ・マガジンなどの編集に従事した後、現在は書籍の編集を手がける。
2011年以降は、下川裕治『格安エアラインで個人旅行が変わる!』、鳥塚亮『いすみ鉄道公募社長 危機を乗り越える夢と戦略』、松尾貴史『ネタになる統計データ』、小篠綾子『コシノ洋装店ものがたり』、吉田友和『スマートフォン時代のインテリジェント旅行術』、坂井優基『現役機長が答える飛行機の大謎・小謎』、樋口弘和『「3年で辞めさせない!」採用』などを編集。

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